2009.04.23

ハロー、ハロー。

ダニー・ボイル監督の『28日後』やっと観れました。
おもろかったっす (((゚Д゚)))パパーっ!

ゾンビ好きを公言して憚らない訳ですが、そんなに詳しいわけじゃないです。
今頃『28日後』観てるくらいですから、ロメロがどうとかなどは語れません。
単純なゾンビ好きです。あぅぁーщ(゚Д゚щ)
あ、好きなのは、いわゆる Living Dead です。架空のお話におけるゾンビが好きなのです。
生き残ってる人も大好きです。

『28日後』はイギリスが舞台です。
感染源である研究用チンパンジーが狂信的活動家を襲ったプロローグの暗い場面から一転して、28日後に主人公のジムがまばゆい光差し込む病室で目を覚まします。はい、生き残り登場。
感想はとにかく、こいつ睫長すぎw につきます。
んで、デジャブです。
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演のBiohazard2の冒頭だけ観たことがあったわけです。
なぜ、冒頭だけしか観てないのか自分でも理解に苦しみますが。
ミラちゃんと同じだ。ぷぷ。と思ったら、Biohazard2の方が後出しでした。

裸ん坊で目覚めたジムは点滴を倒して痛い目を見たりしながらも、自らスパゲティ状態の管類を抜き、酷く乱雑となった病院内で衣類を調達し(術衣ですかっ)、ロビーの破壊された自販機の側で拾ったペプシをガブ飲みして一息つくと何個か拾って、人っ子一人居ないロンドンの街へと出て行きます。
ジムの彷徨う情景が、だるい、だるすぎると思いつつ、どんどんスタイリッシュなボイル節に引き込まれました。

ネタバレしますので、これから観ようという方はお気を付けあれ。
(超端折りながらのあらすじを交えての感想です。)
教会にたどり着いたジムは礼拝堂に折り重なる死体の山を見つけてしまいます。何人か生きてる人が立ち上がりジムの方を見ています。神父さんがジムの方へと歩いてくる!ジム一安心。
がっ!
やっとここでゾンビ登場なわけです。わーぃ!もちろん神父さんはゾンビ。
でも、この映画のあぅぁーщ(゚Д゚щ)な方達はLiving Deadじゃないような。
「凶暴性」が主たる症状のウィルスにやられた「感染者」で、どうやらたぶん、生命体的には「生きている」ようです。ゾンビと言うとなんかしっくりきませんね。
『アイ アム レジェンド』と似たような設定。同じく走ります。走る系は怖いなぁ。でも、アイアム〜とは違って、知性は無い模様。

なんだかんだで、ジムは二人の生存者に窮地から助けられますが、あっと言う間に仲間が一人減り、セリーナという女傑と二人っきりでなんとも心細い展開に。
そんなおり、ジムが高層マンションの一室にクリスマス用の飾り付けみたいなのが瞬いているのを見つけます。
その部屋へたどり着く前にマンションの階段室で「感染者」に追われてパニクる二人。
そこへ、ヒーロー登場です。どうやら部屋の主らしき完全武装のごっつい男が「感染者」を撃退。
なんか心細く観てたとこに「待ってました!」な登場人物です。

と、思いきや…ごっついはずの男はなんとも人のイイただのおっさん。一緒にいたのは12歳くらいの娘。ぜんぜん頼りにならなそうです。ジムとセリーナも同じ感想。この過酷な状況で共に行動するには、足手まといになるとセリーナがジムに忠告したりしつつも、おっさんに軍の放送を聞かされておっさんと娘を加えた4人でマンチェスターへと向かうことになりました。
おっさんことフランクさんはタクシー運転手らしく、無事、車も調達。
感染者ちゃんは昼間というか明るいところでは活動しないようで、今まで徒歩の二人は昼間移動してました。
ってか、今までそのへんの車にはキーついてなかったのでしょうかね。
アメリカの映画と違って、車が全然簡単に手に入りません。
銃もありません。得物はセリーナの鉈くらいで、日本人としては妙に現実味があります。

足手まといになるかと思われた父娘は意外にもお役立ちキャラでした。
娘は運転もタイヤ交換もできるし、なによりフランクがみんなの精神状態に安定をもたらします。
ちょっとダサいけど、明るく、優しく、時には娘に厳しいフランクはイギリスの典型的なお父さんなんでしょうね。
生き残ることに必死でぎすぎすしていたセリーナも明るく優しくなり、ジムは自分のお父さんとフランクを重ねて悪夢から逃れます。
いやぁ、本当にいいフランク。初めて感情移入できるキャラです。断言します。この映画の見所と救いはフランクですw。死んじゃいやぁーっ

結論。フランクはお約束通り死にます。うう。
残念に思いましたが、この後の展開は死ねただけ良かったのだといういやーな感じになってゆきます。
マンチェスターの封鎖ゲートに辿り着いたもののそこはもぬけの殻。フランクは希望を繋いでいた軍の放送が無駄だったと知り荒れます。うるさいカラスに八つ当たりしたら、カラスは死体を啄んでおり、見上げたフランクの眼球に一滴の感染血液が。フランクに感染者の症状が現れ、ジムはフランクを殺さねばならなくなります。
ジムが躊躇していると居ないと思われた軍隊が現れ、フランクを射殺。
もっと早く来いよーっ!とTVに突っ込んだのは言うまでもありません。

フランクを失った三人は軍と共に、彼らが立て籠もる屋敷へと向かいました。
さて、ここからドロっとした人間心理の恐怖描写となってしまいます。
なんだか『地獄の黙示録』のディレクターズカット版にあるフランス人の農園を思い出したのですが、なんでだろう?たぶん牧歌的なお屋敷のセットと武装した軍人の組み合わせのせいだと思いますが…。
最初は秩序だって見えたイギリス軍人もやはりただならぬ事態に疲弊しており、精神がやばくなっているのが垣間見えてきます。感染してしまった部下を鎖に繋いで飼ってみたり、感染者の襲来に嬉々として応戦したり。
そして彼らの狂気が「女」であるセリーヌに対して向けられます。
軍の指揮官である少佐は、どうも最初から部下達に「女」を与えるのが目的だったような節も。
極限に置かれた男達は性欲の問題ではなく、子供を作るという目的にすがって理性を保とうとしているようです。それが希望の光らしいです。
少佐自体はパブリックスクール出身ですか?ってな風に見えるんですが。(かわいがってたおばかちゃんな部下の死に際も意味深でしたし?)
もちろん、反対する良い軍曹も居ましたが、ジムと共に連れ出され軍曹は殺されてしまいました。絶体絶命です。

さて、ジムはというと。
軍曹が殺されている隙を突いて逃走。途中で飛行機雲を発見。それに希望を見いだしたのか、急に超人的になります。
ひ弱なバイクメッセンジャーなジムが軍隊の猛者どもを頭脳と度胸で俊敏になぎ倒し、結局なんかすごい大活躍してセリーナとハンナを救出する訳です。

ジムはサイコちゃんだと思います。
サイコちゃんの要素があったからこそ、このピンチを切り抜けられたんではないかと。
フランクが生きていたマンチェスターまでの道中。ジムは要らん冒険をします。バット片手に感染者がいそうな屋内を探索、襲いかかってきた少年の感染者を殴り殺します。ちょっと感染者を殺してみたかったな雰囲気が漂います。ダーク主人公。
先に書いた少佐のお気に入りおばかちゃんを殺害するときも、なんかニヤリとしてました。おばかちゃんは放っておいても無害だったんじゃないかと思わずにはいられません。
鎖に繋がれていた部下の感染者の鎖を切ったのも、策略というより、ほら復讐しろよ見たいな負の感情を感じます。
セリーヌの首を絞めていた軍人のやっつけかたも、最悪。
マウントポジションなんだから首締めればいいのになぁ…。
セリーヌはそういったジムの凶暴性から絶対感染してる!と思ったのでしょうか、鉈でジムに斬りかかるのも同意。ジムは声かければいいのに、不気味に黙ってるし。サイコねー。

ラブラブする二人を見てジムに殴りかかるラりったハンナ。このあたりがボイル監督なんだろうなぁ。
逃走する三人、撃たれるジム。ハンナの機転で少佐は自業自得的な死を迎えます。
そして、こっからが巧い。どっかの国の大河ドラマは見習って欲しいw
撃たれ意識の朦朧とするジム視点のフラッシュバックで、爽やかな希望に満ちたラストへ疾走。
ジムは朝を迎えます。ここは最初に病室で目覚めたシーンと繋がるかのような演出。
でも、やっぱりイギリス全土が壊滅したのは、現実です。
アメリカ軍らしき戦闘機がぶーんと飛んできます。手を振る三人。
最後はHelloで締めくくり。
とっても、好きな映画となりました。
さて、次は『28週後』を観ます。

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